旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)の特徴・評価・評判
旭化成ホームズのランキング(28社中) | |
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■年間着工棟数 | 9位 |
■耐震・制震・免震性 | |
■耐久性能 | |
■断熱・気密性能 | 19位 |
■デザイン性・設計力 | 14位 |
■保 証 | |
■値 頃 感 | 22位 |
■総合[1] | |
■総合[2] | 6位 |
旭化成ホームズというより、ヘーベルハウスと言ったほうが判りやすいかもしれません。ヘーベルハウスは旭化成ホームズのブランド名です。
へーベルは旭化成のALCという発泡コンクリート板のことで、ALCの代名詞になっています。
厚さ75mm,100mmのALCは耐火性・遮音性能に優れ、ビルなどの建設では、非常にポピュラーな材料です。外壁は塗装をする必要があり、耐久性のない材料ですと数年で塗り替えの必要がでてきます。
ヘーベルハウスでは、30年メンテナンスフリーを謳っていますので、塗料にも耐久性の高い材料を仕様しているものと思われます。
構造は重量鉄骨の制震構造で、非常に耐久性の高い構造になっています。しかし、軟弱地盤に建てる場合、地盤の補強にかなり費用がかかる場合がありますので、地盤の調査を先にきちんとした上で、 契約されたほうが良いと思います。
気密、断熱性能は残念ながらあまりよくありません。これは、ALCの特性でもあり、よって寒冷地にはあまり適さない材料です。
会社設立 | 1972年11月 |
資本金 | 32.5億円 |
営業地域 | 関東、東海中部、近畿、中国、四国、九州 |
売上げ高 | 3,897億円(2009年度実績) |
年間着工棟数 | 12,490棟(2009年度実績) |
工法 | 重量鉄骨工法 |
標準の坪単価 | 75~85万/坪 |
性能・テクノロジー
ヘーベルハウスの構造は重量鉄骨造で、壁構造の「ハイパーフレーム構造」とラーメン構造の「システムラーメン構造」とがあります。
ハイパーフレーム構造は、「CUBIC」(キュービック)と「新大地」で、システムラーメン構造は、「FREX」(フレックス)で採用されています。
ハイパーフレーム構造は、「制震フレーム」と「剛床システム」を組み合わせた制震構造で、標準仕様です。
これは他社の制震装置のように、オイルダンパーや高減衰ゴムで地震エネルギーを吸収し熱に換えて放出するようなものではなく、
ブランクによって歪みをおこさせて、エネルギーを吸収するシステムです。
他社のシステムのように剛構造の中に一部制震装置を取り入れて柔軟な部分をつくるのではなく、壁全体を柔構造にして制震するようなものになっているようです。
ですので、ブレスのかわりにほとんどの箇所に「制震フレーム」が設置されています。(他社のシステムは壁一面に1~2箇所)
また、外壁のへーベルも当然歪みますので、固定工法ではなく引っ掛け式の「ロッキング工法」がとられています。
となると、目地の亀裂や剥離が気になりますが、柔軟性の高い目地材を使用しているとのことです。
確かに実験映像を見ると充分に耐久しているようですが、やはり年月が経ち劣化している場合は、亀裂や剥離は起こるものと思われますので、地震後の点検と補修はきちんとしなければならないでしょう。
基礎は布基礎です。 また、壁の柔構造に対して床は「剛床システム」によって剛性を高め、耐震性を強化してあるようです。
システムラーメン構造は従来のラーメン構造と少し違い、「ダイナミックコネクタ」と「コラムカプラ」という独自の技術で柱と梁を緊結してあります。
通常、柱に持ち出し部分を溶接しておき、それに梁をプレートで固定するのですが、「ダイナミックコネクタ」は「ASボルト」の開発により直接柱に梁を緊結できるようです。
これは、現場での作業、品質の保全上有利な技術かと思われます。
「コラムカプラ」という技術も、階下と階上の柱を緊結するのに開発されたもので、通し柱でなくとも、同じ強度を得られるジョイント技術だということです。
これもどちらかというと、運搬や製作時の有利性を目的に開発された技術のようです。
従って、システムラーメン構造に関しては、従来の重量鉄骨造の強度と同じ程度と考えてよいでしょう。
勿論、ラーメン構造ですので、もともと制震構造だと言えるものですので、耐震性、制震性は高いと言って差し支えないでしょう。
基礎は通常、重量鉄骨ラーメン構造の場合、柱を支えるフーチング基礎と地中梁とによって構成されます。
構造計算も必要となってきますので、個別の対応になっているものと思われます。
免震構造は特に扱っていないようです。
外壁には75mm、床には100mmの「へーベル」を使用し、防火性能は高くその他の使用材が問題なければ、耐火建築物として認証も受けられます。
但し、外部からの延焼の危険は少ないのですが、一旦火災になってしまうと鉄骨は以外に弱く、溶け出してしまう恐れもあります。
旭化成ホームズは耐久性能に関して非常にレベルが高く、自信もあるのでしょう30年メンテナンスフリーを謳ってあります。
確かにへーベルの仕上げ塗装の心配を除けば、問題ないように感じられます。
外部の塗装も問題ないようには説明されてはいますが、サイディングほどの塗装皮膜強度はないでしょう。
フラット屋根の部分は、高分子系シート防水で、最も信頼度の高い防水工法の一つです。
旭化成ホームズの断熱は、フラット屋根の場合、25mmのポリスチレンフォームと65mmのネオマフォームの外断熱、
外壁は、25mmのネオマフォーム、床が20mmのポリスチレンフォームとなっています。
へーベルの断熱性能は、あくまでサイディングなどの外壁材(断熱材ではないもの)に比べて厚みが有る分高いというだけで、
断熱材として考えられる性能ではありません。
断熱性能は次世代省エネ基準をやっとクリアできる程度です。
サッシュは外部がアルミ、内部が樹脂の複合サッシュで、ガラスは、「低放射複層ガラス」を標準装備。
更に太陽高度の低い東西面は、室内の温度の上昇を防ぐ「遮熱低放射複層ガラス」を採用しています。
これはレベルの高い選択ですね。
防音性能は、へーベル自体防音性が高く、開口部にも問題ありません。
内部騒音に対して標準仕様では、階上床に100mmのへーベルにモルタルとPP発泡体を使った「ANRフロア」。
二世帯用の床には更に、PP遮音パネル、防振吊金具、ロックウールを付加した「二世帯天井」を採用しています。
しかし重量鉄骨造の場合どうしても構造体が共鳴しやすいので、ある程度の内部騒音はあると思われます。
換気システムは、強制排気と自然給気を行う第三種換気システムで、
トイレ、浴室、洗面、キッチンは個別の換気扇対応です。
高断熱・高気密ではないのでまあこの位かと思いますが、比較的坪単価の高いへーベルハウスにしては多少物足りない気もします。
建物の耐震性能は申し分ないのですが、地盤の良し悪しによってかなり予算が上下されることを覚悟しておかなければなりません。
断熱性・気密性に関しては、大手ハウスメーカー中下位に入ると思われます。
保証30年というのは、大手ハウスメーカーの中では最長の部類ですので、その点はかなり安心できる事だと思います。
旭化成ホームズのラインナップ
CUBIC(キュービック)
- 2階建て
- Lハット
- トップハット
- 3階建て
新大地
- 大屋根
- 下屋
- 新大地プレミアム
FREX(フレックス)
- 空中平屋住宅
- 都市型邸宅
- 筒型住宅2階
- 筒型住宅3階
- 複合ビル型住宅
- FREX monado
- FREX G3