セキスイハイムの特徴・評価・評判
セキスイハイムのランキング(28社中) | |
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■年間着工棟数 | |
■耐震・制震・免震性 | 18位 |
■耐久性能 | 4位 |
■断熱・気密性能 | 13位 |
■デザイン性・設計力 | 14位 |
■保 証 | 5位 |
■値 頃 感 | 22位 |
■総合[1] | 7位 |
■総合[2] | 10位 |
セキスイハイムは積水化学工業の住宅部門です。積水化学工業はもともと積水ハウスを住宅部門として立ち上げたのですが、当時の住宅産業は現在のような状況になく、 お荷物だった積水ハウスを切り離してしまいました。近年の積水ハウスの成功をみて再びセキスイハイムとして住宅産業に進出してきたのです。
軽量鉄骨系ユニット工法で、ほとんどの工程を工場で生産し、現場にはユニット(箱)として持ち込み、組み立てる工法です。
工期が短いことが利点ですが、ユニットを搬入可能な敷地でなければ、施工することはできません。
設計の自由度は非常に低く、規格ユニットを組み合わせる程度と考えておいたほうがよいでしょう。
以前のゼロハイムなどのキャッチコピーに代表されるように、太陽光発電などの省エネ、環境対策に早くから取り組み、空気清浄性能及び遮音性能については、業界トップクラスでしょう。
最近では、セキスイ・ツーユーホームとの統合で、木質系パネル工法の商品もラインナップされています。
紹介での受注の比率が少なく、使い終えたモデルハウスを安く提供するキャンペーンなどで、新規の顧客をメインに獲得する戦略で展開しています。
最近の情報では、「エアリーシェード」という木漏れ日を再現できるシェードを開発したとのことですが、
住宅に導入できるのは数年先とのことです。
会社設立 | 1947年3月 |
資本金 | 1,000億円 |
営業地域 | 全国展開 |
売上げ高 | 3,982億円(2010年度実績) |
年間着工棟数 | 11,190棟(2008年度実績) |
工法 | 軽量鉄骨系ユニット工法/木質系プレハブ工法 |
標準の坪単価 | 65~75万/坪 |
性能・テクノロジー
セキスイハイムでは特に耐震性にのみ力を入れてあるようで、ハイブリッド耐震システム「GAIASS」ガイアス が耐震の要のようです。
軽量鉄骨系ユニット(ラーメン構造)構法なので、もともとからの仕様で、特に新しい技術と言うわけではありません。
ラーメン構造の柔軟性を持ったユニット同士を、互いに剛接合して、中小の地震に対しては、「強度抵抗型」、
強度では対応できない大地震にたいしては、「粘り抵抗型」で対応するシステムだという事です。
構造体の柱は、多くが100mm、場所によって120mmで多少ひ弱にも見えますが、認定を受けているので大丈夫なのでしょう。
もともと地震にたいしては、強いという評判もありましたので、特に新しい技術を取り入れなくとも大丈夫というところでしょうか。
邸別耐震診断システム「ユレナビ」での耐震レベル1~4というのは、性能表示の等級1~3とは違う、セキスイハイム独自の耐震性を表すレベルです。
ハイブリッド耐震とは言っても、鉄骨の材料そのものが持つ粘りに頼ったシステムです。
耐震強度(頑丈性)があるので、建物の崩壊はおきにくいのですが、揺れを吸収、回避することができないので、
損壊や家具の転倒などの、損害は免れることができないでしょう。
セキスイハイムの基礎は阪神大震災以降、べた基礎に転換したようで、その点はよくなったようです。
基礎と土台を16mmのボルトで直接緊結してあるので、地盤からのエネルギーを直接受ける構造になっています。
とにかく、建物は崩壊させないという堅固な構造になっているようです。
ツーバイフォーでの耐震・制震。免震構造に関しては、もともとツーバイフォーが持つ耐震性能に頼るだけで、
全く、何も技術を取り入れていないようです。
今後、制震や免震にも力を注ぐべきではないかと思います。
セキスイハイムの外壁は、セキスイが開発したオリジナル外壁材「SFCボード」です。
「SFCボード」とは、木繊維(ウッドファイバー)と熱硬化セメントを混合し、プレスで加熱圧縮したものです。
普通に流通している、窯業系木質繊維サイディングボードとどのくらい違うのかは、不明です。
(同じようなものだと思うのですが・・・。)
外壁にタイルを張る場合は下地に「SFCボード」を使用した乾式施工です。
屋根はフラットな陸屋根の場合、ボルトを使わず、ステンレス折板を重ね合わせる施工で、
勾配屋根の場合は、オリジナル開発商品のスレート屋根(コロニアルやフルベストと同じ)が使用されます。
随所にオリジナル商品が使用されていますが、一般に普及している製品と大きくは変わらないものだと思われます。
使用されているランクは普及品に置き換えれば、中級の上以上のものではあるようです。
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耐震性・耐久性は従来の製品の持つ性能を踏襲しているだけで、特に力を注いでいるようには思えませんでしたが、
快適性・省エネ性にはかなり自身があるようです。
セキスイハイムの空調システムはヒートポンプ式で、家全体の温度差を抑える設計になっているようで、
床下蓄熱暖房システム「ウォームファクトリー」との併用で、より快適に過ごせるよう配慮されています。
「ウォームファクトリー」とは、冬場に基礎断熱をすることで、蓄熱された床下の暖かい空気を利用して、
床面全体から、じんわりと暖かさを供給するシステムで、空調効果を上げるのには非常に効果的なシステムです。
又、換気システムは第一種換気システムを採用してあり、給気、排気共に強制に行い、特に給気は温度、
湿度を調整して取り込む、全熱交換型のシステムのようです。
住宅用換気システムとしては、最上級のものです。
「起風天窓」というフラット屋根独特のシステムは、夏場天井面にたまり易い暖気を、温度センサーと雨センサー、
により天窓を自動で開閉して、自然に排出させるシステムで、強制空調だけに頼らない、優れたシステムだと思います。
残念なことに、フラット屋根の場合しかあまり効果が得られないそうです。
断熱は壁、天井はグラスウールの充填断熱、床は断熱せず、基礎断熱(内断熱)を採用して、
床下蓄熱暖房システムに効果を上げているようです。
開口部は、外部がアルミ内部が樹脂のアルブレックスに、通常のペアガラスを使用しています。
全棟、次世代省エネ基準をクリアしています。
特に、高断熱・高気密ではありませんが、Q値(熱損失係数)2.1W/m2k、
C値(隙間相当面積)2.0cm2/m2、の値を公表しています。
■軽量鉄骨系ユニット
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■木質系ユニット
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セキスイハイムのラインナップ
快適性、省エネ性にといては申し分ないのですが、
制震・免震の対策を今後してほしいと言ったところでしょう。