大手ハウスメーカーの分析
KANTAROおうち研究室

一条工務店の特徴・評価・評判

一条工務店のランキング（28社中）
■年間着工棟数	10位
■耐震・制震・免震性	12位
■耐久性能	8位
■断熱・気密性能
■デザイン性・設計力	14位
■保　証	12位
■値 頃 感	10位
■総合[１]	4位
■総合[２]	5位

一条工務店は、浜松の一工務店だったのが全国展開して今のようなハウスメーカーに発展しました。
免震構造には定評があり、全国の免震構造住宅では圧倒的なシェアを誇ります。
断熱、遮音性能もハウスメーカー中トップクラスで、高断熱・高気密の住宅を望まれるかたには申し分ない内容だと思います。

また、建材の多くを海外で生産してコストを抑えることに努めているようです。しかし、デザイン性がいまひとつという話も時々耳にします。

太陽光発電の初期費用0システムは、当初200万ほど必要な設置費用を一条工務店が立て替えて、売電の金額を返すというシステムで、経営状態の良い会社しかできないようなシステムですね。

最近では、I-cube(壁式枠組み構造)の売れ行きが好調で、床暖房も標準装備とか、新たにI-Smartをラインナップに加えてきました。

性能・テクノロジー

■ 耐震・制震・免震への取り組み

一条工務店の工法は木造在来工法でありながら、全面を構造用合板え包み込む「I－HEAD構法」という工法をとっており、その耐震性能は2×4以上の性能であろうと思われます。
外壁全面を一体化した「モノコック構造」は、本来の在来工法の柔構造ではなく、歪みを許さない剛構造になっています。
壁だけでなく、床の下地には32mmの構造用合板を敷き、より一層強固なものになっています。
又、「I-CUBE」などは2×6構造で、2×4よりはるかに強度の高い剛構造になっています。

一条工務店の優れているところは、建物そのものを完全な剛構造にして、それに免震装置を付加することを、強く推奨しているところです。
免震装置は、「ハイブリッド免震構法」という、表面をテフロン加工されたスライダーと高減衰積層ゴムを組み合わせた、割と単純なものですが、それだけに、他の免震装置に比べてメンテナンスがほとんど必要ないとのことです。

早くから、免震住宅の普及に力を注いできただけあって、現在国内で、ダントツのシェアを誇ります。
「ハイブリッド免震構法」は、個別認定が必要ない「一般認定」を取得していて、他社では施工できない敷地や設計でも、免震住宅の建築を可能にしています。
これまでに行った1万棟を越す免震住宅適合調査の約9割で免震住宅の建築が可能と判定されているようです。
問題は価格ですが、標準的な40坪２階建ての住宅の場合で、260～270万程度の増額で済むということで、通常4～500万かかる免震装置にくらべると、随分抑えた金額だと思います。

制震技術に関しては、特に開発されていないようですが、剛構造の建物に免震装置を組み合わせたものが、現在の住宅レベルでの耐震性能としては、最も優れていると思います。

■ 耐久性への取り組み

防腐・防蟻処理は塗布ではなく、「インサイジング加圧注入処理」という独自の加圧注入処理を施し、特に2×6材の場合は75年効果があるとのことです。
又、EPS(断熱材)にも防蟻処理が施してあり、防腐・防蟻性能も高いと思われます。

一条工務店の基礎は、免震対応でない場合は、べた基礎で、立ち上がりの厚み165mmと通常150mmに比べ1ランク厚いように思います。(ダブル断熱の場合は150mm)

全棟、長期優良住宅の認定を受けられるようです。

■ 快適性への取り組み

耐震性への取り組みでも優れていますが、断熱性、機密性においても、大手ハウスメーカーの中で最も優れた結果を出しています。
まず断熱材は、EPS(ポリスチレンフォーム)特号相当材(グラスウールの1.5倍の断熱性能)を使用。
I-HEAD構法の場合、120mmの充填断熱、高断熱・高気密を謳っている2×6構法の「I－CUBE」では140mmの充填断熱に加えて、50mmの外断熱のダブル断熱です。
見ただけで、断熱性能が高いことがわかります。

サッシュは樹脂サッシュを採用、アルゴンガスを充填したLow-E複層ガラスが標準仕様です。
又、ガラスの中空層にハニカムシェードや格子もはめ込めるそうです。

「I－CUBE」ダブル断熱構法の場合の Q値は、0.76w/m2k、　C値は、0.59cm2/m2とこれは大手ハウスメーカー最高の性能です。
ちなみに、「I-HEAD構法」の通常断熱でも、Q値、1.13w/m2k(ⅠⅡ地域)・1.16w/m2k(ⅢⅣⅤ地域)、C値0.71cm2/m2と他社の高断熱・高気密より高性能です。 勿論、全棟次世代省エネ基準をクリアです。(単純に計算すると、基準の4倍の性能です)
ダブル断熱構法の場合は、全棟気密測定を実施するそうです。

ダブル断熱構法の場合、換気システムは「ロスガード90」というトップレベルの断熱装置が標準装備です。
これは、全熱交換型の第一種換気システムで、その中でも特にレベルの高いものだと聞いています。

使用材はすべてF☆☆☆☆相当、珪藻土などもオプションでは用意されているようです。

■ 一条工務店の総評

とにかく高断熱・高気密にこだわった造りになっていて、好みのかたには充分納得できる内容になっているのではないかと思われます。
免震や高断熱と他社とは違うはっきりとした特徴を出しているところが、非常に評価できると思います。
デザイン性に多少劣るとの評判もありますが、良いメーカーだと思います。

一条工務店のラインナップ

■木造在来工法

• SAISON
• SAISON A-Type
• SAISON　ASSURE
• 円熟の家 百年
• Brillart
• Famille

■木造壁式枠組み工法

• i-smart
• i-cube