大手ハウスメーカーの分析
KANTAROおうち研究室

三菱地所ホームの特徴・評価・評判

三菱地所ホームは、三菱地所の100％子会社で2×4工法とRC工法の注文住宅を主に手がけています。

デザイン性は高く評価されており、店舗併用や医院併用住宅などで多く採用されているように感じます。

｢SUPER2×4」や｢ニューメソッドフロアーシステム」など独特な技術開発も多くみられ、特に全館空調システム｢エアロテック」はハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エレクトリック2007 優秀賞を受賞しています。

この｢エアロテック」を中心とした商品構成をされており、全商品に標準装備されています。

2009年に小規模住宅｢セレキューブ」をラインナップに加え、コンパクトなハイクオリティー住宅として販売を拡充しています。

性能・テクノロジー

■ 耐震・制震・免震への取り組み

三菱地所ホームの基礎は標準としては定めておらず、地耐力が30kN/㎡以上ある場合は布基礎で、20kN/㎡以上の場合はベタ基礎で施工としています。
立ち上がり幅はどちらも150mmで十分な強度が期待できます。

耐震性能における2×4の基本構造は通常のものと変わらず、特筆すべきことはありません。
構造用合板の使用厚も、屋根12mm、外壁9mm、床15mmと最低限の基準どおりです。

2×4の基本的な耐震性能だけですが、住宅性能表示の耐震性能等級３は取得可能です。

制震構造としては特に開発されておりませんが、免震システムとして｢ピアニシモ」が用意されています。

これは、ボールベアリング支承とオイルダンパー、風揺れ防止装置によるシンプルな免震システムですが、軽量の建物においては十分に性能を発揮できるシステムだと思います。

風揺れ防止装置は台風や軽微な地震（震度1～2）ではロックがかかり、免震装置を作動させないようにするものです。

■ 耐久性への取り組み

耐久性においては、｢SUPER2×4」という技術が開発されています。
これはデザイン性を高めるために外壁の仕上げをサイディングを使わず、塗り壁、塗装、タイルなどを使用するための下地にセメントボードを使用するものです。

また、｢ハイサーキュレートシステム」という通気工法がとられています。
他社でも採用されている通常の通気工法と何ら変わるところがなく同じだと思います。

｢ニューメソッドフロアー」という独特の床組システムが開発されています。
これは一階の天井を高くとるために考案されたようで、厚手の構造用合板を縦使いにした梁（？）を狭間隔で配置して強度を保たせる構造になっています。
｢エアロテック」のダクトを通しても天井を下げずに済むよう考案されたようで、特許出願中だそうです。
なんか一見頼りなく見えますが、耐久試験は重ねているのでしょう、安全性が確認できなければ特許は取れませんからね。

■ 快適性への取り組み

三菱地所ホームの断熱材は、外壁が90mm、天井が180mmのロックウールで、床が90mmのポリエチレンフォームです。

サッシュは、アルミ樹脂複合サッシュに、遮熱高断熱複層ガラスを標準装備してあります。

かなり高性能な高断熱・高機密が期待できそうな内容ですがQ値・C値は公表されていません。
｢エアロテック」の性能を十分発揮できるような仕様になっているのは間違いないでしょう。

防音性能に関しては、外部騒音に対して構造を見ればある程度予測できますがかなりの高性能が期待できます。
内部騒音も、防振ゴムの付いた｢NVアブソーバ」で一階天井を吊り、ロックウールを充填した上に8mmの遮音マットを標準装備してありますので、かなり軽減されていると思われます。

｢セレキューブ」は多少仕様が異なるそうですので、検討される場合はよく確認されてください。

空調システムは｢エアロテック」が標準装備されています。
これは全熱交換型の第一種換気システムと全館空調システムを併用したシステムで、住宅としては最も優れた換気空調システムだと言えます。

■ 三菱地所ホームの総評

坪単価は高いけれども、それだけのものが備わっているように見受けられます。
｢エアロテック」の性能を活かす為の仕様を基本に考えられているなという印象です。
デザイン性はかなり評価できますが、少し古めかしいモダン調が感じられる部分もあります。

三菱地所ホームのラインナップ

■注文住宅
■医院・医院併用住宅
■店舗・店舗併用住宅
■賃貸・賃貸併用住宅
■特別注文住宅
■都市型住宅 u:D[ユーディ]
■セレキューブ