家族で話し合った内容はメモしておきましょう
家族にとって一大事業になる事ですので 家族みんなの今後の予定や計画、仕事や学校のこと、
建物の好みや間取りの希望など様々なことを話し合わなければなりません。
家を建てたいという希望があっても 実際に建てるとなると解決しなければならないことが
以外に出てきて実行に踏み切れないことがよくあるようです。
良い家を建てるには 家族みんなの状態が良好でなければなかなかうまくいきません。
その為に家族みんなでよく話し合って進めていってください。
家族での話し合いのレベルでは専門的なことがあまり解らないだろうとは思いますが、
今後工務店やハウスメーカーと打ち合わせ等をする際にも大切になる、建築の趣旨や家族の生活スタイル、
好み、希望の間取り、将来の家族構成等ある程度把握しておく必要があります。
勿論専門家ではないのであまり詳しいことまで決める必要はありません。
でもこの時に話し合ったことは完成した建物の姿の中に大きく反映されることになりますのでできる限り
色々な意見を出し、箇条書きでもよいので書き留めて後の専門家との打ち合わせで使われたら良いと思います。
専門家もそいうものがあると、少し引き締まった対応になると思いますよ。(^^)V
では話し合っていただきたいことを項目別に説明いたします。
建築の趣旨
判りきったこととは思いますが、家を新築するには それなりの理由があります。
現在住んでいる家が老朽化した 子供が結婚して同居をする 退職を期に持ち家を若いうちに建てておきたい
賃貸の家賃を払うのと同じくらいで建てられるのならば等々理由は様々です。
複数の理由が重なってという場合もあるでしょう。
そういった ”なぜ今家を建てるのか” という明確な理由をあらためて意識しておけば当然設計にも反映してきます。
具体的な要望ではないのですが、何故建てるのかという建築の趣旨を設計士が知っていれば、
よりあなたの気持ちになって設計を進めることができるのです。
設計士とは建築の専門家ではないあなたに代わって設計をするものだと思います。
逆にそういう話に耳を傾けない設計士は、あまり良い設計士だとはいえません。
よりあなたの気持ちに近づければあなたとあなたの家族にとってより良い設計に仕上がるものだと思います。
地 域 | 木 造 | 2×4 | 鉄 骨 | プレハブ |
---|---|---|---|---|
北海道 | 53 | 55 | 62 | 62 |
東 北 | 48~54 | 53~57 | 51~59 | 58~61 |
北 陸 | 56~58 | 59~61 | 61~63 | 60~64 |
関 東 | 54~60 | 57~63 | 60~73 | 59~69 |
東京 神奈川 | 65~68 | 68~72 | 83~87 | 72~76 |
中 部 | 56~69 | 59~63 | 59~65 | 60~64 |
関 西 | 58~65 | 62~67 | 62~73 | 63~70 |
中国 四国 | 52~56 | 55~59 | 57~65 | 56~62 |
九 州 | 46~54 | 49~58 | 53~61 | 55~59 |
※旧住宅金融公庫の資料を参考にしています。 ※沖縄は住金の融資対象地域ではなかったので資料がありません。 |
家族構成 | 人 数 | 必要坪数 |
---|---|---|
夫婦+子供2人 | 4人 | 30~35坪 |
夫婦+子供3人 | 5人 | 35~40坪 |
夫婦+祖父(母)+子供2人 | 5人 | 40~45坪 |
夫婦+祖父母+子供2人 | 6人 | 45~50坪 |
2世帯住居 | 5~7人 | 55~65坪 |
※2世帯住宅とはキッチン、浴室、トイレ等が各2つ以上設置された住宅です。モジュールによっては1~2割程度小さくすることもできますので、あくまで参考にしてください。 |
構造と様式
■ 木造か鉄骨かRCかイメージとして構造を決めましょう
次に建物の構造と様式についての話し合いをしてください。
構造は大きく分けて 木造、2×4(ツーバイフォー)、鉄骨(S)造、軽量鉄骨系プレハブ造、
鉄筋コンクリート(RC)造、木造丸太組等があります。
どの構造にも一長一短があり、一概にどの構造が優れているとは言えませんが、
簡単に各構造の長所短所を書いておきましたので検討材料にしてください。
詳しいことは後のコーナーで説明いたしますので、この時点では好みや予算の観点から漠然と決めておく
程度話をしていただければよいと思います。
また構造とは別に工法の分類もあります。木造在来工法、2×4工法、パネル(木質系 軽量鉄骨系 コンクリート系)工法、
ユニット(木質系 軽量鉄骨系)工法、軽量鉄骨プレハブ工法、RC(鉄筋コンクリート)工法、重量鉄骨(S)工法、丸太組み工法等です。
工法については、業者選定のコーナーで説明させていただきます。
■ 和風?洋風?モダン?
様式には和風、洋風、山小屋風、モダン等々主に意匠(見かけ)に関わるもので和風の中にも数奇屋風、町家風、
みのこ造り・・・と多種多様あります。
雑誌やカタログ等を見て検討してみてください。
様式についても業者によって得意不得意が結構ありますので、好みの様式を先にピックアップして
から業者に接触したほうが良いでしょう。
洋風が得意な業者に和風の建物を 和風が得意な業者に洋風の建物を依頼したりすると完成したときに
ガッカリしてしまうこともよくありますよ。
図面や仕様書で全てのことは書き表せませんのでどうしても細かいおさまりは現場まかせになってきます。
同じ建設業者ですが構造や様式が違えば専門分野が違うと思っていたほうが良いでしょう。
全国ネットのハウスメーカーの場合は規格化されていますので、そうした問題はありませんが逆に規格化された
同じような外観や間取りになりがちです。
構 造 | 長 所 | 短 所 |
---|---|---|
木 造 | ・設計の自由度が高い ・比較的安価 ・増改築がしやすい ・日本の気候風土に適している |
・工期が若干長い ・耐震性 耐火性が若干低い ・仕上がりにバラつきが出やすい |
2×4造 | ・木造より工期が短い ・木造より耐震性が高い ・木造より耐火性が高い |
・開口部に制限がある ・設計の自由度が低い |
重量鉄骨造 | ・耐震性 耐久性に優れている ・開口部が広く取れる ・設計の自由度が高い |
・増改築がしにくい ・地盤の強度が問題 ・遮音性が若干劣る |
軽量鉄骨系 プレハブ造 | ・工期が短い ・品質のバラつきが少ない ・耐震性 耐火性が高い |
・間取りに制約がある ・ユニット搬入の問題 ・規格化された外観になりがち |
RC 造 | ・耐震性 耐火性に優れている ・自由な外観の形成 遮音性が高い |
・工期が長い ・地盤の強度が問題 ・施工管理に左右されやすい |
丸太組み造 | ・断熱 遮音 耐久性に優れている ・調湿性能が高い |
・工期が長い ・開口部に制限がある ・防火 準防火地域では制限が厳しい ・メンテナンスが大変 |
※一般的な見解で書きましたが各メーカーでは研究を重ねて短所を克服している部分もあるようです。 |
間取り 家族のこだわり
さて この項目を話し合うのが一番楽しいところかもしれません。
家族一人一人の大切な空間について具体的な希望を出していきましょう。
雑誌で見た写真や以前より憧れだった間取り リビングに吹き抜けがほしいとか寝室にはトップライトがほしい、
子供部屋は天井を高くしたい等々具体的な希望を出して書き留めておいてください。
雑誌の切り抜きなど用意しておくのも大変良いと思います。
予算やその他の制約で全て希望が叶うことはほとんど無いでしょうが、
家族みんなの希望をせめて一つずつでも取り入れていきたいものですね。
外観はレンガを貼りたいとか材料についても希望を出しておくほうが良いと思います。
最初のうちはあまり材料についても解らないところが多いでしょうが、次第に随分と詳しくなられる方が多いようです。
書き留めたメモはできれば整理して参考写真などと一緒に業者との打ち合わせで使ってください。
きっと設計士や業者にもあなたの意向がきちんと伝わりやすくなると思います。
将来の予定・希望
常々いろんなことを話し合っている家族であれば、あまり具体的にここで話さなくても判っているでしょうが
意外と家族みんなのことを把握できていないことも多いようです。
家族一人一人の今後の予定や希望についても判る範囲話しておきましょう。
将来増築しなければいけない可能性だってあるし、逆に1~2年で部屋が余ってしまうことになることが判っているかもしれません。
資金の借り入れの保証人の問題もあるかもしれません。
今想像できるそういった将来の可能性もできる限り設計に盛り込んでおいたほうが後々問題が少なくなると思います。
例えば一階にあと一部屋必要になる可能性があれば、境界から一部屋分のスペースを空けて建築しておくとか、
子供部屋は将来2つに区切れるように広めにとっておいて入り口を2箇所クローゼットも2箇所作っておくとかです。
家は新築で落成したときが本当の意味での完成ではありません。家族が暮らしているうちにどんどん進化していきます。
先の状況もできる限り把握しておくことが大切です。