工事/着工~上棟
KANTAROおうち研究室

工事/着工~上棟

着工~上棟,棟上げ

設計も決まり、業者も決まってやっと着工です。
ここからは現場の状況と共に、夢が現実のものとなって大きく進展していくことでしょう。
地鎮祭から始まり、縄張り、遣り方、床掘り、基礎、上棟と
着々と進んでいく現場を見にいくのは本当に楽しいことでしょう。

しかし、浮かれてばかりもいられません。
工事が始まると、色々な面で心配ごとが増えたり、新たな問題が発生したりで疲労困憊する施主も多いものです。
近隣との問題、工事の間違い、確認不足、手抜き、打ち合わせにない内容、
思惑と違う仕上がり等々挙げればきりがありません。

色々な問題発生の可能性があっても、なるべくそうならない為に、
できることは先手を打って防いでいかなければなりません。

このページでは上棟までの工事の進行と、工事が進むに連れて発生しうる問題防止策、
又は問題が起こったときの対処の方法などについて考えていきましょう。

工程表

着工~上棟,棟上げ

着工~上棟,棟上げ 工程表を必ずもらいましょう

工程表を必ずもらってください。業者によっては、出さないところもありますので、
くれなければ請求をしてでももらってください。
工程表通りに進んでいるかどうかは業者のレベルを判断する材料にもなります。
もし工程が大きく狂った場合はきちんと報告してもらいましょう。

近隣への挨拶

着工~上棟,棟上げ 工事の総責任者は施主です!

当たり前のことのようですが、引越しの挨拶には行っても、着工の挨拶に行かれない施主がたまにおられます。
問題が発生したとき、あくまで工事業者の問題だと考えてくれる方ばかりではありません。
まず工事中近隣に迷惑をかけないことは、ありえないと考えてください。
そして、工事の総責任者は施主であるあなただということを認識しておいてください。

1~2度問題があり、注意しても業者の対応が悪く、施主が呼び出されるなんてことも時々あることです。
そんな時事前に挨拶していなければ、バツの悪い思いをします。
いきなり施主に対して文句をいってこられる方は滅多におられませんが、近隣に対して最後に責任を取らなければいけないのは、
施主なのです。(勿論施主に対して工事業者は責任を取らなければなりませんが・・・。)
迷惑をかけることが判っているのに、挨拶にも来ないとなれば、その後のお付き合いにも影響があるかもしれませんよ。

ちなみに最も迷惑をかける可能性が高いのが、駐車の問題と騒音、振動です。
現場監督が、挨拶に行くでしょうが、できれば一緒に、そうでなくとも必ず一度は行かれてください。
タイミングとしては、地鎮祭をされるのであれば、その時がいいでしょう。

着工~上棟,棟上げ

地鎮祭

着工~上棟,棟上げ 地鎮祭と起工式

地鎮祭は宗教的な行事ですので、行わない方もおられますが、ほとんどの方がされますので書いておきます。
神式、仏式では神主さんが祝詞をあげるか、お坊さんがお経をあげるかの違いはありますが、
奈良時代に神仏習合が推し進められたからでしょう、ほとんど似たもののようです。

最も多い神式に例をとって記述します。
地鎮祭の手配は、ほとんどの場合、建設会社が段取りしてくれますので、任せてしまえばほとんど何もしなくとも大丈夫です。
しかし、信仰する神社などがある場合、そちらの神主さんをお呼びすれば来ていただけます。
玉ぐし料は神社によって多少の違いはありますが、2~3万といったところだと思います。

予約する際、遠慮せずに聞いたほうが、後に失礼がなくてよいのではないでしょうか。
用意する供物は、酒1升・塩一袋・米1キロ程度・昆布・根物野菜・葉物野菜・果物・尾頭付きの魚といったところです。
工事業者が、真竹4本・真砂一袋・スコップ・鍬・テント・椅子などを用意してくれます。
初めから全て見積もりに入れて契約に含めてある場合もありますので、よく確認してください。

地鎮祭そのものは、なにも難しいことはありません。
神主さんが祝詞をあげて、オーーー!という掛け声で神様をお迎えします。
その後、神主さんの指示に従って玉ぐしを奉納し、 "二礼二拍手一礼 "をして工事の無事を祈願してください。
次に敷地の四隅に酒・塩・米を撒いて清め、神主さんのオーーー!という神様を送る声で地鎮祭は終わりです。

引き続き、起工式があります。起工式では、施主と設計者又は監督でそれぞれ、
スコップ又は鍬を真砂の山にエイ!エイ!エイ!と大きな声で三度差込み、鍬入れの儀を取り行います。
それで全て終了です。
全部の合計の時間は30分程度です。
このときお供えしたお酒は飲んでしまわないで、上棟式で、お神酒として使います。


縄張り・遣り方

着工~上棟,棟上げ 建設位置の確認を必ずしましょう

まず最初に、敷地に対して図面通りに建物の位置をロープで印します。
これを縄張りといいます。

この時、業者から確認の要請があると思いますので、必ず現場に行って確認をしてください。
この時、もし図面通りでも、駐車場が少し狭いとか、隣の境界からもう少し離したいとか、
感じられたら必ずその旨伝えて、法規の影響がなければ修正してもらってください。
基礎工事が始まってしまえば、簡単には動かせなくなります。どうしても図面上では判らないことがあります。
実際に現場が始まって気がつくようなことも多いので、その時は、できる限り早く、現場担当者に伝えてください。
躊躇しているとどんどん工事が進んで、言えなくなってしまいます。

遣り方とは、基礎工事を始めるための、道糸を張るための作業で、基礎の予定位置を囲むように水平になるように板を打っていきます。
普通は大工さんの仕事です。
縄張りで確認した位置にきちんと測量をして打っていきますので、全て縄張りを基準にして始まると思ってください。
この段階ではまだ、仮設工事なので、万が一修正したいところがあれば、今のうちにしておいてください。
位置の修正をして、追加の費用を請求されないで済むのはここまでです


着工~上棟,棟上げ

基礎工事

着工~上棟,棟上げ 現場に行くときはカメラとスケールを忘れずに!

設計事務所がついている場合チェックは任せておいても大丈夫なのでしょうが、そうでない場合は自分でやるしかありません。
かといって、素人がチェックすることはなかなか簡単にはできませんね。
そこで、いくつかのポイントに絞って、チェックするようにしましょう。

まず、毎日のように現場に顔を出せる方も少ないでしょうからどうしても現場任せになりがちですが、
必ず現場に行くときにはスケール(メジャー)と、カメラを持っていってください。
そして、施工箇所をスケールを充てて撮影してください。

特に記録してほしいところは、
床スラブ厚、配筋のピッチ、立ち上がり基礎の厚み、クラックの有無(クラックスケールがあると便利です)養生期間に基礎に保護シートをきちんと架けているか、等です。
勿論、業者がわからも施工写真の提出はあると思いますが、自分でも必ず撮っておいてください。
コンクリートについては、コンクリートの配合報告書をすぐにもらえるよう事前に話しておいてください。
それだけの事をしておけば、実際見ても専門的でよく解らないでしょうが、
業者に対して "きちんとしなければ "という意識を植え付けることができます。

あまり露骨にやる必要はありません。
ちゃんとチェックしている事が伝わればいいのです。
そして、図面の仕様どうりに施工されているかどうか、帰ってから、ゆっくりチェックしてください。
あまり現場でやると煙たがられて、お互いいい気がしませんからね。
作業員には、我が家の記録を作るとでも言っておいたらどうでしょう。

結局は人の手でつくるのですから、作業員達にも気持ちよく施工してもらったほうが、施主にとっても得なことが多いと思います。
あまりにギスギスとした、細かいチェックをするより、要所要所だけきちんとやればいいと思うのですが、いかがでしょうか?
勿論、設計事務所ならばそこまでやる必要がありますが・・・。
余談ですが、基礎だけの時は、こんなに小さい家なのかと少し困惑するかもしれません。


着工~上棟,棟上げ

上 棟

着工~上棟,棟上げ 上棟は最高の見せ場です。気持ちよく楽しみましょう

いよいよ上棟です。苦労した日々も忘れてしまう位、楽しい一日です。
早朝(又は前日)から土台を敷いて、大抵午前中には上棟します。上棟とは、
木造の屋根の一番上にくる構造材、棟(むね)を載せたときのことです。
2×4の場合は屋根の構造材が組み終わったとき、パネル構造の場合は屋根のパネルが載ったとき、
ユニット工法の場合はユニットの据付が完了したとき、とそれぞれ違いますが、一気に組みあがってゆくところは、同じです。

この日はもうチェックどころではありません。
十数人もの職人さん達が応援できてくれています。
只只、安全に作業が終わるように祈るだけです。
とはいうものの要点だけは押えておきましょう。


着工~上棟,棟上げ 確認すべきところは、土台を敷く時です

最も確認するべきところは、基礎と土台のズレがないか、アンカーボルトはきちんと土台のセンター
にきているか、どちらも許容範囲内のズレ(10~15mm)であれば問題ありません。
(土台がずれているということは、基礎が悪い可能性が高いのです。ずれが明らかにひどい場合は基礎をやり直しさせることもあります)

又、土台を敷く前に、土台の底部に防腐・防蟻処理をきちんとやったかもチェックしてください。
けっこう忘れてることがあります。
ですから、上棟よりも土台を敷いているところを見てチェックすることが大切です。
柱を立て始めると(パネル等を組み始めると)もしもの時にやり直しがしにくくなります。
それでもやらなければいけない場合もありますが・・・。

できれば土台敷きは、前日にやってもらって、その時確認するほうがよいでしょうね。
万が一やり直すことになれば、当日では間に合わなくなるので、上棟延期にもなりかねませんから。
土台のチェックがOKなら、上棟そのものは、ほとんど問題ないことが多いです。(木造もプレカットですからね)
多少の間違いなどはあるものですが、あまり神経質にならずに、監督と棟梁にある程度任せてこの日は楽しく過ごしましょう。
チェックをするにも、ちゃんとメリハリを付けてやらなければだめです。
基礎だけのとき、あんなに小さいと感じていたものが全体の形が判ってきて、逆に大きさに驚くかもしれません。


着工~上棟,棟上げ

上棟式で用意するもの

・お神酒(地鎮祭でお供えしたお酒)
・お米(1キロ)
・塩(1袋)

上棟式は地方や地域によって全く程度が違います。
近所の子供達を集めてお餅を撒き神主さんを呼んで祝詞をあげてもらい、夜中まで大宴会をする地域もありますが、
最近の都市部での傾向としては、式というほどのことはなく職人さんたちに昼食を振舞う程度のことが多いようです。

その場合でも、棟梁か監督と一緒に、建物の四隅に塩とお米を盛り、お神酒をかけて清めます。(宗教上の問題があります)
通常、簡略な上棟式の場合は、お酒はご法度です。
昼食の後も屋根仕舞いが終わるまで(屋根の防水シートを敷き終わるまで)仕事を続けます。
それから、仕事が終われば普段と変わりなく車を運転して帰ります。
業者もそのつもりですので、暑くてもビールなど出してはいけません。
事故があれば、振舞った側にも責任がかかります。監督にも確認しておいてください。

大工さんへのご祝儀も昔は必ず出していたのでしょうが、ハウスメーカーでは禁止しているところも多く、
一般工務店でも断られるところが多いと思います。
大工の棟梁に頼んだ場合は、本人に聞いてください。


着工~上棟,棟上げ

▲ページトップに戻る