工事/上棟~竣工,完成
KANTAROおうち研究室

工事/上棟~竣工

上棟~竣工,完成

上棟も終わり、いよいよ本格的に現場工事が始まります。
今まではほとんど単独の工事でしたが、ここからは色々な業者が現場に入ってきます。
木造在来に例をとりますと、大工、屋根、板金、防水、電気、設備、防蟻、サッシュ、
サイディング、左官等、仕上げ工程の業者を外しても随分います。

上棟のときは、あまり厳しくチェックしなくてもいいようなことを書きましたが、上棟後の数日間は、
逆にきちんとチェックしないといけないところが沢山あります。
しかし、全てのチェックは時間的にも無理な方が多いでしょうから、
必ず確認するべきところを絞って、説明します。
鉄骨系ハウスメーカーの場合、構造的な部分は規格化されていて、忘れ、間違い以外あまりチェックの
必要もないかと思いますので、主に木造在来工法のことを例にとって記述します。

上棟後のチェック

本格的に大工工事が始まりますが、ここから数日はあまり工事が進んだように見えない状態です。
しかし、とても重要な作業をしている数日なのです。
仮筋交いを本筋交いに交換し、補強金物を各所に取り付けていきます。(2×4でも同じようなものです)


■立ちの確認


上棟~竣工,完成 建物の基本的な事、立ちの確認をしてください。

判りやすく言うと、柱が垂直に立っているかどうかの確認です。
全ての柱をする必要はありません。
一番出っ張った角の柱を3~4箇所確認すれば充分です。
水平器をあてて計るのが最も手軽に確認できます。
一つの柱で直角になった2面を測って確認します。
柱は全て梁と胴差などで繋がっていますので、2箇所では不十分ですが3~4箇所測って問題なければ、大丈夫だと思います。
もし異常があって場合、監督に確認してもらい筋交いを調整してもらってください。
上棟で仮筋交いを入れる時に大工さんがきちんとやってくれているとは思いますが、大切なことですので自分でも確認しておきましょう。
道具を使わないで行いたい場合は、視線を柱と近所の比較的新しい建物の角に合わせて確認してもよいです。
そのかわりおかしいと思ったら、監督か大工さんに測ってもらってください。


■補強金物


上棟~竣工,完成 補強金物は規定の箇所に、指定のものを使っていないといけません。

右に個別に書いておきますので、それぞれ確認をしてください。
記述しているものだけではなく、同等の強度をだせるものもありますので、不信に思ったときは遠慮せず監督にたずねましょう。

【補強金物の種類】
名 称使用箇所使用方法
ホールダウン金物通し柱(隅柱)と基礎基礎に埋めたホールダウン専用アンカーを通し柱(隅柱)に対し六角ボルトで緊結
羽子板ボルト胴差、梁、柱柱に対して六角ボルト、横架材にたいして、角座でナット締め
短冊金物
かね折り金物
管柱と梁柱に対して六角ボルト、梁に対してスクリュー釘にて緊結
筋交いプレート筋交いと柱、胴差、土台筋交いに対して六角ボルト、柱、胴差に対して65mm釘止め
くら金物屋根垂木と胴差垂木を胴差に釘で緊結(台風対策)
山形プレート
かど金物
管柱と土台、胴差、梁V字又はT字型プレートで柱と横架材を釘で緊結
短冊金物
かね折り金物
管柱と梁柱に対して六角ボルト、梁に対してスクリュー釘にて緊結


■防腐・防蟻処理


上棟~竣工,完成 防腐・防蟻処理は適切か確認します。

防腐・防蟻処理は床の根太までしてあるか、2回塗布、地盤面より少なくとも1mの高さまで塗布してあるか確認してください。
又、土台の底部の確認もお忘れなく。

屋根工事

上棟~竣工,完成 屋根は施主にとっては、滅多に登る機会がない場所です。

足場のかかっている今が唯一の機会かもしれませんので、足場に登って見てみてはいかがでしょうか。
但し、怪我などをしても誰の保証も受けられませんので、できれば監督と一緒に
安全対策をきちんとして(ヘルメット等を被り)注意して登ってください。
勾配があるので、屋根自体には乗らないほうがよいかもしれません。
屋根に関して注意すべき点は防水シート(通常はルーフィング)の敷き具合、
瓦屋根の場合は釘又はビスでの固定、などです。

ルーフィングは100mm以上重なり合うように敷いて、壁突きの屋根の場合
 壁への立ち上がりを250mm以上とらなければなりません。
・瓦のとめ方は、周囲の部分は全て、内部の瓦は2枚或いは3枚に一枚の割合で釘又はビスで
 固定していきます。(瓦はかみ合っていきますので、内部は全てとめる必要はありません。)

コロニアル等のスレート葺きやガルバリウム鋼板葺きの場合は、真直ぐになっていれば特に素人でチェックするところはないと思います。


上棟~竣工,完成

外壁工事

上棟~竣工,完成 防湿フィルムとコーキングが大切

外壁のチェック項目は、防湿フィルムの貼り具合の確認、通気工法の場合は空気の通り道の確保、
コーキング等でしょう。
サイディングやタイルの貼り方もありますが、大抵見かけの問題ですのでおかしければ注意してください。

・防湿フィルムもやはり、100mm以上の重なりをもって貼らなければなりません。
 又、開口部での折り返しがあるかも確認してください。
・通気工法の場合きちんと軒裏まで通気路が確保されているか確認してください。
 最上部に横桟が入ったりしていると意味がありませんので。
・コーキングは全ての箇所(サイディングの目地、開口部との取り合い等)の打ち忘れ、
 はみ出し、不足、の確認をしてください。

大工仕上げ・内部建具

大工仕上げ工事等になれば、専門的な知識がなくとも見ればわかる部分がほとんどですので、気がついたら聞いてみてください。
強いてチェックするとすれば、角の部分の突合せがずれていないか見てみてください。
大工さんの技量もわかるところです。
内部建具は普通、最後に調整をして引き渡しになりますので、この段階ではもし歪があっても問題ありません。
自分で発注したものであるかどうかだけ確認すればよいのではないでしょうか。

サッシュ工事

上棟~竣工,完成 打ち合わせの内容を確認

・サッシュは仕様どおりのものが付いているかどうかの確認をすれば、問題はないと思います。
・また、透明、型板ガラス、ペアガラスの使用箇所の確認もしておいてください。
・ジャロジーについてはぺあガラスはありませんので、ダブルジャロジーになっているかを見てください。
 (注文している場合)
・面格子、網戸は、完成直前に取り付けますので、今の段階ではまだ付いていません。

電気・設備工事

上棟~竣工,完成 電気・設備業者と直接打ち合わせる機会をもちましょう。

電気工事・設備(給排水)工事・ガス工事に関しては現場でそれぞれの業者と一度は打ち合わせを
して確認されたほうがよいと思います。

・電気工事はコンセント・スイッチの位置・高さ、個数、TVの位置、電話配管の位置などと、
 配線を繋ぐ場合、ジョイントボックスでカバーをして露出させないようにしているかなどです。
・給排水・ガス工事は配管のルートと種類、設備の機種(器具の仕様書を持っているでしょうから)、
 メンテナンスの容易さ、などについて確認しましょう。

内装仕上げ工事

上棟~竣工,完成 下地の処理で仕上がりが全く違います

天井・壁のクロス張り、クッションフロアーやカーペットの工事のことです。
クロス張りの場合、下地の良し悪しが目立ちますが、大抵の場合クロスの材料の選び方で差がでます。
天井の場合は照明が横から照らすことにな下地の凸凹の影が出てきます。
天井のクロスを選ぶときには厚手のクッションのはいった表面が凸凹した地模様の
あるものを選んでおくと、これが全く判らなくなります。

壁の場合、きちんと下地のパテを磨いておけばあまり出ませんので、パテ処理を
きちんとやっているかの確認をされてください。
又、通路の角の出っ張ったところには塩ビの補強をいれているか確認してください。
これがあれば、少し角に物をぶつけても変形しにくくなります。

照明・取り付け家具

照明・取り付け家具の段階になるといよいよ完成間近です。
省エネのこともありますので、なるべくLED使用の器具を使いましょう。
指定した器具が入っているかの確認くらいで、特にチェックはないでしょうが、旧公庫規定を下にかいておきましたので参考にしてください。
取り付け家具は建具の調整や、取り付け部分の隙間などがでていないか見ておいてください。


【照明器具取り付け上の注意】
  • 重量のある照明器具は補強合板、フィクスチュアスタッド、及び補強吊木等を使用して確実に取り付け必要に応じ木ネジ等で振れ止めをする
  • コード吊り器具はコードファスナー等を利用して、適切な張力止めを行い、端子に直接重量がかからないようにする。
  • 引っ掛け埋め込みローゼットは、10㎏以上の荷重に耐えるように強固に取り付ける。
  • 断熱材敷設場所に埋め込み型照明器具を取り付ける場合、埋め込み型照明器具はJIS5002に規定するS型埋め込み型照明器具を使用する。
  • 断熱材敷設場所に埋め込み型照明器具を取り付ける場合、必ず断熱材が器具に被らないように外して取り付ける。

▲ページトップに戻る