大成建設ハウジング(パルコン)の特徴・評価・評判
大成建設ハウジングのランキング(28社中) | |
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■年間着工棟数 | 25位 |
■耐震・制震・免震性 | 10位 |
■耐久性能 | |
■断熱・気密性能 | 20位 |
■デザイン性・設計力 | 14位 |
■保 証 | 6位 |
■値 頃 感 | 22位 |
■総合[1] | 15位 |
■総合[2] | 17位 |
もともと大成建設の住宅事業部だったのですが、2006年に大成建設ハウジングとして独立しました。 コンクリートパネル工法のパルコンとツーバイフォー工法のパルウッドを商品に展開していますが、パルウッドの方は現在縮小傾向にあるようです。
コンクリートパネルは断熱、遮音性能には優れているのですが、一旦熱を蓄えると冷めにくい性質があり、急速に室温を変えたいときなどは、多少ロスが出るものと思われます。
パネル同士の接続は強固で、剛性も高く、災害にも強いものと思われますが、重量が重いので、軟弱な地盤に建設する場合は地盤の補強にかなり費用がかかります。
会社設立 | 1917年創業/2008年住宅部門独立 |
資本金 | 16億円 |
営業地域 | 全国展開 |
売上げ高 | 301.5億円 |
年間着工棟数 | ― |
工法 | コンクリートパネル工法(パルコン)/ツーバイフォー(パルウッド) |
標準の坪単価 | 75~85万/坪 |
性能・テクノロジー
大成建設ハウジング(パルコン)の耐震性能は、あくまで耐震性に限定すれば、最強でしょう。ガチガチの剛構造です。
歪むことすら許さない構造になっていて、これまでの地震では最も建物の被害が少ないのも理解できます。
しかし、あくまで耐震性が優れているというだけなので、地震のエネルギーを吸収したり、逃したりすることはできません。
ですから、地盤と同じように揺れますので、建物そのものの崩壊はなくとも、家具の転倒などによる被害は免れないでしょう。
建物の剛性に自信があるのか、制震や免震の対応はありません。
というより、できない或いは、非常にコストがかかるといったほうが良いかもしれません。
重量が極端に重いために、通常他社で用いられてる程度の制震、免震装置では対応できないので、ビル建設に使用される規模の装置が必要になってきます。
それであえてその事にはあまり言及せず、耐震性のみをアピールしているものと思われます。
又、冒頭でも述べましたとおり、重量の大きさのために、支持地盤が強固な地盤に達しなければなりませんので、
軟弱な地盤に建設する場合、その改良に非常にコストがかかる場合があります。
(軽量な建物の場合、良好な地盤に達すれば良しとされます。)
耐久性能についても、かなり高いと言えます。
コンクリートはもともとアルカリ性を帯びているのですが、年月が経つにつれ、酸素により中性化されていき、内部の鉄筋を錆びさせます。
通常RC造の場合その期間は70年とされていますが、パルコンの場合、骨材に頁岩砂を1100℃以上で焼成して作った、人工軽量骨材を使用し、
その寿命を100年でも大丈夫なまでに延ばしているそうです。
確かに、通常のRC造に比べると、多少軽量ですし、品質の点でもバラつきがなく安心できます。
屋根は、基本的に陸屋根なので、コンクリートパネルを敷いて隙間にモルタルを詰めジョイントテープで保護をして、ウレタン塗膜防水をするといった構法です。
さらにその上にトップコートをかけて、しっかり防水をするようですが、10~20年は問題ないでしょうが、大きな地震の後や、20~30年たてば劣化もでますので、
しっかり点検の必要があります。
防火性能に関しては、もともと耐火建築物なので申し分ありません。
階段までRC造にすれば、最高の基準に合致する耐火建築物になります。
この点は他社ではまねができないことですね。
パルコンのコンクリートパネルは、確かに断熱性に優れてはいますが、これは遮熱、ではなく吸熱してしまうので、
一旦取り込んでしまった熱をいつまでも蓄熱する性質があります。
ですから、日頃から長時間家を空けるようなご家庭の場合、特に夏場は、昼間温められた外壁がいつまでも冷えず、
内部を冷やすために余分な電力を消耗するようなことも考えられます。
逆に、一日中どなたかが家におられるご家庭では、一旦冷房が効いて冷やされた外壁が、長時間維持されて電気の節約になります。
ご家庭のライフスタイルでメリット、デメリットの出やすい構造です。
屋上は標準で5センチほどの厚さの断熱材(スチレンフォーム)が一体になったタイルが敷き詰められています。
ですので、屋上に関しては外断熱になっています。
壁は内断熱で、厚さ3センチのスチレンフォームが使用されています。
換気システムは、「タルカス-e」というエアリサイクル型換気システムを導入しています。
これは、居室に関しては強制給気を行う第二種換気システム、トイレや浴室、
洗面は強制排気を行う第三種換気システムを併用したものです。
2階のトイレを設置する場合は別にオプションで個別のパイプファンを設置する必要があるようです。
換気システムとしては、理には適ってはいるものの、全熱交換型の第一種換気システムを取り入れてる
メーカーが多い中、少し物足りない感じがします。
遮音に関しては、コンクリートパネルの性質上問題がないでしょう。
非常に高いと思われます。
大成建設ハウジングの総評としては、耐震性に関しては、構造上剛構造を追及するしかないのだろうなと思われます。
また、断熱に関しては早く外断熱に切り替えるべきだと思います。
そうすれば、もっとハイレベルな高断熱・高気密が達成できるのにもったいない感じがします。
コンクリートパネルという独自性の高い技術をもっているのに、少しコンクリートそのものの性能に頼りすぎて、
時代遅れになってしまわないかと心配します。
長期優良住宅などの基準に関しては、個別に対応をしているようです。
大成建設ハウジングのラインナップ
Modern design series (モダンデザインシリーズ)
- Palcon URBAINE(アーバン)
- Palcon Switch(スイッチ)
- Palcon AXL(アクセル)
- Palcon AXL-e(アクセルイー)
Authentic design series (オーセンティックデザインシリーズ)
- Palcon Prairie(プレーリー)
- Palcon Grandio(グランディオ)
- Palcon Colonnade(コロネード)
Euro design series (ユーロデザインシリーズ)
- Palcon Provence(プロビンス)