建設業者/ハウスメーカー
ハウスメーカーとは住宅を商品として販売する会社です
そもそもハウスメーカーとはなんでしょう。
それは、住宅を一つの商品としてとらえ、カタログで販売する会社です。
基本的な考えかたは、車や電気製品のそれとあまり大差ありません。
客の希望を聞いてものを揃えるのではなく、会社が売りたいもの(売れるもの)を大量に揃えているのです。
勿論全く希望を受け付けないわけではありません。
オプションの範囲で対応してくれます。
建築という分野は普通のお客さんにとって、あまりにも解りにくいものだったので、
昔は大工さんに全部まかせてあまり口を出さないようなものでした。
そこに目を付けたハウスメーカーの前身が、もっと住宅建築を解りやすいものにして
売りやすくすることを目的に、モデルハウスを創ったのです。
これは日本特有の建築形態です。
今では、戸建住宅建築の分野ではハウスメーカーで建てるのが主流になってきています。
しかし、一般工務店や大工さんで建てる方が減ったのかといえばそうではありません。
ちゃんと仕事を取って建築されています。
勿論ハウスメーカーの下請け専門になっているところも結構ありますけど…。
工務店で建てるのは知人か紹介の場合がほとんど
ハウスメーカーで建てる方と一般工務店で建てる方は、はっきりと分かれています。
親しい知り合いに、工務店か大工さん又は、建築士がいるかいないかです。
勿論例外もありますが…。しかしこれは意外と大問題なのです。
親しい知り合い、又は親戚に建築関係者がいるとどうしても選択肢が狭まってしまうからです。
どちらが良いとは一概には言えませんが、両者の長所、短所、又各大手ハウスメーカーごとの特徴など
書いてみますので業者選択の参考にしてください。
たまたま接した一人の営業マンのことなどは会社を選ぶ参考にはあまりなりませんので、客観的な事実だけ記述します。
構造・工法
ハウスメーカー選択の基準となる項目を挙げてみました。
各社独自の工法を持つハウスメーカーが多いですが、ほとんどは、工事期間中に関わる工法です。
あくまで出来上がりの状態でいいますと、木造在来、2×4(パネルを含む)、鉄骨系、RC系とに大別できます。
工期短縮も大切なことではありますが、長くても4~5ヶ月のことです。
完成してからの、何十年のほうにウェイトを措いて検討してください。早く建つから悪いという問題ではありませんが・・・。
構造・工法による違いは大きな選択の基準です。
家族会議のページでも記述しましたが、その種類は多種多様です。
それぞれの会社が得意とする工法を持っています。(その工法でしかできないと言ったほうがよいかもしれませんが…)
前には構造の違いによる特徴を説明しましたが、ここでは各会社の工法の特徴を記述します。
下記のメーカー名からリンクします。
メーカー名 | 工 法 | 価 格 帯 |
---|---|---|
積水ハウス | 軽量鉄骨系プレハブ 木造系金物補強 | 50~65万/坪(木造系) 70~80万/坪(鉄骨系) |
ダイワハウス | 軽量鉄骨系プレハブ 木造系金物補強 | 55~65万/坪(企画住宅) 70~80万/坪(注文住宅) |
セキスイハイム | 軽量鉄骨系ユニット 木質系ユニット | 65~75万/坪 |
住友林業 | 木造在来 | 60~75万/坪 |
ミサワホーム | 木質系パネル 軽量鉄骨系プレハブ | 65~75万/坪 |
三井ホーム | ツーバイフォー 木質系パネル | 55~75万/坪(企画住宅) 80~90万/坪(注文住宅) |
パナホーム | 軽量鉄骨系プレハブ 重量鉄骨ラーメン | 65~75万/坪(軽量) 70~85万/坪(重量) |
エス・バイ・エル | 木質系パネル | 40~60万/坪(企画住宅) 55~75万/坪(注文住宅) |
アイフルホーム | 木造在来 | 45~55万/坪 |
大成建設 ハウジング | コンクリートパネル ツーバイフォー | 75~85万/坪 |
トヨタホーム | 軽量鉄骨系プレハブ 軽量鉄骨系ユニット | 65~70万/坪(プレハブ) 60~65万/坪(ユニット) |
一条工務店 | 木造在来 木造壁式枠組み | 55~70万/坪(在来) 50~70万/坪(壁式) |
旭化成ホームズ | 重量鉄骨 | 75~85万/坪 |
スウェーデンハウス | 木質系パネル(輸入住宅) | 80~90万/坪 |
三洋ホームズ | 軽量鉄骨系プレハブ | 55~65万/坪 |
住友不動産 | ツーバイフォー | 50~60万/坪 |
アキュラホーム | 木造在来 | 45~55万/坪 |
タマホーム | 木造在来 | 40~50万/坪 |
クレバリーホーム | 木造在来 | 45~55万/坪 |
東日本ハウス | 木造在来 | 55~65万/坪 |
ユニバーサルホーム | 木造在来 | 40~50万/坪 |
東急ホームズ | ツーバイフォー(輸入住宅) | 55~65万/坪 |
土屋ホーム | 木造在来 | 65~75万/坪 |
土屋ツーバイホーム | ツーバイフォー | 65~75万/坪 |
三菱地所ホーム | ツーバイフォー | 70~80万/坪 |
レスコハウス | コンクリートパネル | 60~70万/坪 |
ダイケンホーム | ツーバイフォー | 40~55万/坪(企画) 55~80万(注文) |
アエラホーム | ツーバイフォー | 40~50万/坪(標準断熱) 50~55万(外断熱) |
セルコホーム | ツーバイフォー | 45~60万/坪 |
価格帯
価格帯は最も業者選択の基準となる項目でしょう。
希望はいろいろあっても結局、資金の範囲でしか選択することはできません。
しかし、見せかけの坪単価に惑わされてはいけません。
同じ基準で割り出した坪単価で検討してください。
通常坪単価は、インフラの宅内引き込みから、仮設の費用、オプションまで含めた総工費
(建物部分のみで地盤改良などは別です)を建築の延べ床面積で割ったものをいいます。(施工面積ではありません)
見せかけの安い坪単価に惹かれて住宅展示場にでかけて、いつの間にか契約して建てることになった、
などということもよく聞く話です。
モジュール
メーターモジュールは、必要以上に家が大きくなる場合があります
モジュールとは、建物の基準にする長さ(柱芯間、又は壁芯間の長さ)のことで、 一般に江戸間サイズ、京間サイズ、メーターモジュールなどと表現します。
・江戸間サイズ 一間 1820mm/単位 910mm
・京間サイズ 一間 1910mm/単位 955mm(本来は単位 985mm)
・メーターモジュール 一間 2000mm/単位 1000mm
同じ8帖間でも江戸間とメーターモジュールではメーターモジュールのほうが、
一辺の長さが360mm、面積は2割も大きくなります。
これは、江戸間で40坪の家の間取りをメーターモジュールで建てた場合、約48坪必要になるということです。
モジュールによってこんなに違うのは驚きでしょう。
メーターモジュールは坪単価を抑えるのに都合が良い
メーターモジュールは比較的ローコストメーカーでの採用が多いようです。
何故かといいますと、最近の建材では、メートル単位のものも多く出回っているからなのです。
しかも、構造用合板やプラスターボードのメーター板の場合3×6板と値段がほぼ同じなのです。
柱や梁の材料は昔からメーターものです。
同じ8帖の部屋を作る場合、江戸間とメーターモジュールでの主な材料はほぼ同じ数量でできあがります。
(仕上げ材は少し違います)
従ってメーターモジュールの場合、2割広い部屋を、ほぼ同じ金額の材料でつくることができるということになります。
これを出来上がった坪数で割ったとき、材料費はほぼ同じで、広さが2割違うのですから、坪単価は大きく変わってきます。
メーターモジュールはバリアフリーには有利です
従ってメーターモジュールの利点は、坪単価を抑えられることと、同じ8帖でも広い部屋ができるということで、
欠点は、同じ坪数の建物の場合、部屋数が減るということと、同じ間取りの場合極端に坪数が増えてしまうということでしょう。
又、バリアフリーの適用を受ける際にはメーターモジュールが半間の廊下でクリアできるので有利です。
ちなみに現在最も多く採用されているのは、江戸間です。
仕様・デザイン
できるだけ早い段階で実際に建てられた方の家を見せてもらいましょう
ハウスメーカーの仕様・デザインについては、各メーカーの展示場、カタログ、パンフレット、仕様書などで判断するか、
実際に建てられた方の住宅に案内してもらって、判断せざるをえません。
しかし、住宅展示場は、必要以上に空間をとってみたり、インテリアや家具などで、かなりごまかされてしまいますので、
勘違いをしないようにしなければなりません。全く同じものをたててもらえばいいのですが、
7~8000万円かかる展示場も多く、とても普通は建てられません。
気に入ったメーカーが見つかったときは必ず、始めの段階で実際のお宅をみせてもらいましょう。
そのとき、お客さんと色々話しをされるのも良いでしょう。(良好な関係のお客さん宅にしか連れていかないでしょうが…)
たまには本音を喋ってくれるかたもおられます。
後はあくまで、好みの問題ですのでご自分で揃えられた資料などを見せて、どの程度対応できるのか交渉してみましょう。
ハウスメーカーによって得意不得意があります
間違っても、和風が得意なメーカーに洋風の建物を、
逆に洋風が得意なメーカーに和風の建物をデザインしてもらってはいけません。
図面ではごまかせますが、実際の出来上がりは、天と地ほども違います。
各メーカーの一番得意とするところを先に聞いておきましょう。
こちらから”○○の建物は得意ですか?”と尋ねると、まずどの営業マンも”いいえ”とは言いませんので、
何が得意かと聞かれたほうが良いでしょう。